品番-150番

「型染めと酒袋の蛇腹式小物入れ」

 

華やかな縹色(はなだ色)の型染めをかぶせの蓋にあしらい、

丈夫で味わい深い酒袋と合わせた小物入れに仕立てました。

内布には、戦前に日本で織られた手紡ぎ手織りの木綿の布。

ふわふわと柔らかな綿花の繊維が現在のものにはない豊かな木綿布です。

こうした素朴な生成りの木綿布は日用に使われていた素材だけに、

状態の良いものが残っていないので今はほとんど見つからないのが残念なほど。

ふわふわの木綿布は厚みがあるので、通常のかぶせ付きの前ポケットではなく、

アコーデオンポケットだけの小物入れにしました。

仕切りポケットは一つ一つ型染めの布でパイピングを作ってアクセントに。

上布で作ったマチに一針一針丁寧に縫い込んでアコーデオン状に仕立てています。

 

内ポケットには常盤色の木綿布、

前ポケットにはアクセントに菜の花色の上布を。

どちらも今のものにはない色や手触りがお気に入り。

 

かぶせや前ポケットには、イギリスの100年前のアンティークボタンをあしらいました。

前ポケットのボタン留めのループにも開閉をスムーズになるように

アンティークのボタンをつけるのは薺nazunaのオリジナル。

 

本体の中に仕込んである芯地も、

合繊維の芯を厚手木綿で挟んで刺し子して作ります。

接着芯や接着剤を使わないで仕立てる分、少し厚みが出てしまうのですが、

それでも長年使って行くと、自然素材同士の方がしっとりと馴染んできて、

ゴワゴワ感がなく手に心地よい気がするのです。

使い始めは厚みが気になるかもしれませんが、

お使いのうちにこなれてきて扱い易さが出てきます。

 

革紐は通常のイタリアンレザーよりも薄手ですが、

しなやかさのある牛革紐を使っています。

アンティークボタンに巻き付け易いのと、

柔らかな本体を優しく包んでくれます。

長めにしてありますので、お好みの長さに切ってお使いください。

 

余談ながら、これまでのタグの変遷に加えてまた新たなタグ。

木に焼印のタグ、小さなネームタグ、いっそのことのタグ無しから、

今回は新たに、革の切れ端に焼印のタグ。

(収納物が引っ掛かる場合は取り外しも簡単ですので。。。)

 

札入れや筆記用具やメモを挟んでステーショナリーとしても。

シンプルなものこそ、使い手の愛着の沸く道具になりえる。。。

そんな思いで物づくりをしています。

 

これは日常を楽しむ人のための日用の道具です。

布に触れ、ビンテージの素材を楽しみ、

革紐でクルクルと巻く、

そんなちょっとした時間に一息ついて貰えれば、と思います。

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薺nazunaの製品はすべて手縫いで仕立ててあります。

どこにも接着剤は使っていません。

手縫いにこだわるのは、布と布の合わせ目がふんわりとふっくら仕上るので、

手織りのものや上質の素材には手縫いで、というのが信条です。。。

 

蛇腹式、というのは、いわゆるアコーディオン財布やギャルソンウォレットのような、

ポケットが幾つもある小物入れのことです。

パリを訪れた際、カフェのギャルソンが使っていた財布を手に入れて、

それを参考に、布で仕立てたオリジナルの小物入れです。

 

手にしたときに心が和むような、

かぶせを開け閉めする手が喜ぶような、

愛着の湧く小物入れに仕上ったと思います。

 

品番ー150番 型染めと酒袋の蛇腹式小物入れ

Price is 15,000円

size: W 19cm×H 10cm×D5cm
(蓋をぴったり閉ざした時のおよその大きさです。)

表布:木綿と酒袋  古布

内布:生成の木綿   古布

内ポケット:常盤色の木綿 古布

前ポケット:菜の花色の上布 古布

留め具:イギリスのアンティークのボタン

留め紐:牛革紐

その他:麻糸、プルアップオイルレザー

 

 

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